South Kent School、完全に電子教科書へ移行BookExpo America Report

電子教科書への完全移行を果たしたSouth Kent Schoolはどんな教訓が得られるだろう。彼らはすでに、「電子教科書を導入するかどうかが問題なのではなく、いつ導入するかが問題」とまで言っている。

» 2012年06月12日 10時00分 公開
[Mercy Pilkington,Good e-Reader Blog]
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 昨年、米国コネチカット州のSouth Kent SchoolはiPadを利用し電子教科書への完全移行を果たした。教師はiPadの貸与と数カ月間の移行猶予を告げられ、夏の間iPadを自宅に持ち帰って慣れるように指示があったという。教師が今学年に向けて準備を始めるとすぐに、すべての教科でiPadを利用するとの通知があり、それには電子教科書も含まれていた。

 「デジタルリテラシーは自分の父にとってのそれとは様変わりしています」と同校を最近卒業したデラーノ・ウィリアムズ氏は話す。「これにより新しいデジタルリテラシーを学べるだけではありません。われわれはデジタルシチズンシップについて学びました」。

 ウィリアムズ氏は続けて、情報を求めて紙の教科書を参照するのは学生に死んだ情報を提供することであり、反対にタブレットは常に更新され、状況に合った情報を提供すると説明する。そして、デジタルへの移行によりコンテンツの携帯性とセキュリティがどれほど改善されるのか幾つかの例を挙げた。

 「学生は活動時間の25%をオンラインで過ごしています」と学務部長、フィル・ダーリン氏は説明する。「教師はカリキュラムの一部としてデジタルシチズンシップについて教える必要があります」。

 South Kent Schoolで米国の歴史についても教えているダーリン氏はこの移行によりいかに関連づけを行いながら教えることができるようになったかについて説明した。同氏は、従来紙の教科書を利用して年間の学習計画を準備し資料のスケジュールを作成していたが、昨年『アラブの春』革命が勃発し、タイムリーに授業で取り扱うべき非常に重要な題材が存在するゆえにもともとの計画が覆ってしまった例を取り上げつつ要点を説明した。電子教科書への移行により柔軟な授業の組立が可能になったのだ。

 「電子教科書を導入するかどうかが問題なのではなく、いつ導入するかが問題なのです」。

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