「絶版作品に広告を入れて無料配信し、収益の100%を作者に還元」するモデルで漫画家の赤松健氏が立ち上げた「Jコミ」が正式公開から1年を迎えた。読者と作者を結びつけるサービスなど新たに4つの機能が追加され、飛躍の年になりそうだ。
「絶版作品に広告を入れて無料配信し、収益の100%を作者に還元」というモデルで漫画家の赤松健氏が立ち上げた「Jコミ」が4月12日で正式公開から1年を迎えた。
この日、赤松氏のブログ「(株)Jコミの中の人」では、一周年記念として新たに4つの機能を追加することが明かされた。4つの新機能は以下の通りで、後ろの2つは有料(月額105円)のプレミアム登録が必要。
「あなたが広告主」「このページが好き!」機能は、読者と作者を結びつけるサービスといえる。前者は、「おひねり」や「投げ銭」に相当するものだが、Jコミの全作品または気に入った作家の作品内に広告を出せるシステムとして構築した。
これまでJコミで取り扱っている作品に広告を出すには、広告代理店を経由する必要があり、個人にはハードルが高いものだったが、これからはクレジットカードがあれば個人でも広告を出すことができる。なお、この機能で出稿された広告の料金については、カード会社の手数料以外は、全額が作者に渡る。
最低料金は1週間300円からで、決められたサイズの画像を入稿することで作品の広告ページに掲載される。また、広告出稿時は「その作者への個人的なメッセージ」も非公開で送信できるという。作者への応援メッセージやファンページの宣伝など、ファンの思いがこもった広告が見られるのかもしれない。
「このページが好き!」機能は、Jコミが提供しているマンガビューワに追加された機能で、ハート型のボタンを押すことで、そのページが好きだという意思表示ができるというもの。同じページでボタンを押しているユーザー数が表示されたり、作品内で最も支持されているページなどが可視化され、JコミのWebサイトでもランキング形式で表示される。
プレミアム登録者向けの新サービスとして提供される超高解像度PDFサポートは、Retinaディスプレイを搭載した新しいiPadのユーザーにはうれしいところ。両面見開きで縦1170×横1654ピクセルの高解像度PDFで、さらに作品を楽しむことができる。また、プレミアム登録者向けのもう1つの新サービスであるメールマガジンは月2回の配信を予定。初回は4月14日に配信される。
またこの日、Jコミ掲載の3作品が、フランスで紙の印刷物として出版されることが明かされた。具体的な作品名は明かされていないが、一度絶版になったものが国外とはいえ再出版されることになったのは絶版の意味を考える上でも注目される。このほか、Androidアプリも4月末にリリースとしている。
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