Kindle Fireは1台売れるとAmazonに100ドル以上の利益をもたらす

逆ざやで端末を販売し、コンテンツ販売で収益を上げようとするAmazon。Kindle Fireは1台ごとに100ドル以上の利益をAmazonにもたらしているようだ。

» 2012年01月25日 16時00分 公開
[Sovan Mandal,Good e-Reader Blog]
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 Kindle Fireを原価割れで販売し、コンテンツ販売で埋め合わせるAmazonの仕組みはうまく機能しているようだ。投資銀行RBCが行った調査によると、AmazonはKindle Fire1台ごとに100ドル以上を荒稼ぎしており、オンライン小売の巨人がKindle Fireを1台販売するごとに被る3〜17ドルの損失の何倍にも達している。AmazonはKindle Fireを製造するのに掛かるコストや電子書籍、アプリ、Amazon Primeのメンバーシップ販売でどれだけ利益を得ているのか実際には明らかにしていない。

 「Kindle Fireのユニットごとの損益は大多数の予測よりも好調なようで、これはそもそも電子書籍の購入頻度によるものだ。われわれが前提としているのはAmazonが第4四半期に300〜400万台のKindle Fireを販売達成したということと、これらの販売済みデバイスが所有から半年以内に同社の平均営業利益率を徐々に増加させるということだ。われわれの分析では1台当たりの耐用期間中の累積営業利益は136ドルで累積営業利益率は20%を超えると見ている」とRBC Capitalのアナリスト、ロス・サンドラー氏は顧客向けの調査資料内で述べた。

 調査はさらに、ほぼ80%のKindle FireユーザーがKindle Storeから電子書籍を購入しており、電子書籍がAmazonの懐を最も潤していることを明らかにした。また、3カ月ごとに3冊の電子書籍を購入するのが一般的な傾向だが、ほぼ58%のユーザーがKindle Fireを所有してからはじめの2カ月で電子書籍を3冊購入している。

 アプリがAmazonの2番目の稼ぎ頭で、Kindle Fireユーザーの3分の2は少なくとも1つアプリを購入したことがあり、少なくとも3つのアプリを購入しているユーザーも41%存在した。

 AmazonはKindle Fireでシンプルなマーケティング戦略を打ち出した。購入者を釣るのに廉価を餌にして量的に十分な7インチタブレットでまず市場を溢れさせるということだ。それが成し遂げられたら、タブレット所有者にAmazonからコンテンツを購入させ、それによって最終的に利益を得る。素晴らしいシンプルな戦略で、機能しているようだ。

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