エコプロダクツ2011で、リコーが電子ペーパー搭載のビジネス向けタブレット「eQuill」を展示。機能を絞ったシンプルなUIであるため、使い勝手がよく、さまざまな用途で使えるそうだ。カルテやアンケートがすべて電子ペーパーになる日は近いのだろうか。
企業が行う環境対策の展示会「エコプロダクツ2011」で、リコーがビジネス向けタブレット「eQuill」(イー・クイル)を展示していた。E Inkの9.7型電子ペーパーを搭載しており、手書きで書き込める。バッテリー動作時間は約20時間だ。
手描きのほか、チェックボックスやドロップダウン式のメニュー、テキスト入力フィールド、署名ボックスなど、Webサイト上で一般的に見られる入力フォームの仕様に対応する。また、マイク、スピーカー、カメラも内蔵しており、撮影データを送信できる。
他の電子ペーパー搭載機と比較すると、ページ送りや、タッチペンでの書き込みに対するフィードバックの早さが特徴だ。タッチペンで画面をなぞってから1秒弱くらいで線が表示され、手書き文字の入力がストレスなく行えた。UI(ユーザーインタフェース)もシンプルで、説明がなくとも操作が大体理解できたのも印象がよい。
eQuillは、紙の書類で行われる手続きを電子化する「eWriter」というソリューションとセットで法人向けに販売する予定だという。企業のシステムと連携させ、フォームを事前に登録し、独自のフォームが作成して使用する。端末に書き込んだ情報は、Wi-Fiか3G回線経由でPCに転送できるので、集計も楽に行える。データの迅速な回収のほか、紙保管の手間やコストの削減などの効果が見込める。
紙を使う業務として、病院や、保守/点検など、学校の教室など、さまざまな業種や業務で使用できるとしており、デモ機には、アンケートやカルテ、小学生の学習用に使う日本地図など、各種フォーマットがそろっていた。なお、個人向けの販売については、「今のところ考えていない」(説明員)としている。
米国ではSDKを用いたソリューションの開発、提供が始まっているものの、日本での展開は未定で、2012年度以降になるとのことだ。
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