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» 2011年12月08日 09時00分 UPDATE

欧州委員会、Appleと電子書籍のエージェンシーモデルによる価格操作に対し欧州連合競争法に基づく調査を開始

Appleとのエージェンシーモデルによる電子書籍の販売契約に価格カルテルの疑いがあるとして欧州委員会が出版社5社の調査を開始した。

[Michael Kozlowski,Good e-Reader Blog]
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 欧州委員会は米Appleと幾つかの出版社に対して公式調査を開始した。Hachette Livre、Harper Collins、Simon & Schuster、Penguin、Verlagsgruppが欧州で違法なカルテルにより電子書籍の価格操作を行った疑いで告発されている。

 欧州委員会は12月6日(現地時間)からAppleと同社のiBookstoreが大手出版社と共謀し、競合よりも安く価格を設定するAmazonの商慣行を不当に損なっている事実を調査している。欧州委員会はAppleと大手出版社による共謀がカルテルと制限的商慣習を禁ずる欧州連合競争法(EU機能条約101条)に抵触する可能性があるとの懸念を抱いている。EU機能条約101条は加盟国間取引と域内市場競争を制限する可能性のある契約および協調的行為を禁じている。この条項は欧州委員会とEU加盟国が適用できるとして独占禁止規制(理事会規則No 1/2003)に規定されている。

 エージェンシーモデルは欧州に起源があり、書店による独自価格設定を禁じている。出版社が書籍の平均小売価格を決定し、オンラインの電子書籍ストアはそれよりも安く書籍を販売することができない。電子小売業者には平均で全書籍売り上げの30%前後の手数料が支払われる。

 Amazonは「エージェンシーモデル」による価格操作に直接反対しているのに対し、Appleは自社のオンライン電子書籍ストアをローンチした際に出版社と密室で契約を交わした。Random House U.S.は今年、自社の電子書籍にそのモデルを採用することで、iPad 2の販売開始直前にAppleのiBookstoreに参入を果たした。一方、英国のRandom Houseはいまだに電子書籍の卸売モデルを採用しており、欧州委員会の調査対象にはなっていない。

 今年3月、われわれはEUが幾つかの出版社を強制捜査したとリポートした。今回の調査では出版社に対して確たる証拠をつかむために内部文書の押収を行おうとしている。多くの業界関係者が、エージェンシーモデルは反競争的であり、出版社が成熟しつつある業界に対して過剰な統制を行うことができるとして不安を覚えている。

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