HP、2週間以内にWebOSの運命を決定

HPのCEO、メグ・ホイットマン氏は今後2週間以内にWebOSについて結論を下すという。タブレット領域での失敗をバネに、2013年に勝者を目指す同社の戦略は?

» 2011年12月06日 11時00分 公開
[Sovan Mandal,Good e-Reader Blog]
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 HPはTouchPadタブレットPCから離脱することはできたのかもしれないが、タブレット領域での失敗にはいまだに気にかけておくべきもう1つの側面がある。2010年に取得したWebOSプラットフォームだ。しかし、HPのCEO、メグ・ホイットマン氏は今後2週間以内にWebOSについて結論を下すと認めた。

 ホイットマン氏は、新たなラインの製品を市場に出荷する2013年に同社はより競争力を増すだろうと付け加えた。HPは2012年にパーソナルコンピューティング領域で非常に高い確度でAppleの後塵を拝する可能性がある。しかし、HPはAppleの攻勢に歯止めをかけるべく、来年Windows 8タブレットの準備を整えるだろう。

 HPはWebOSをPalmから高額で買収し、自社の要件に合わせるべく多くの人員を雇用したので、同社が代替プランとWebOSを移植するプラットフォームを求めるのは論理的なステップだといえる。WebOSの未来についてホイットマン氏は「これは簡単な決断ではありません。なぜなら、われわれは不安定な状態の600人から成るチームを抱えているからです。われわれはもう1つのOSを必要としています」と述べた。もちろん、これはHPがタブレットの競争をゼロからやり直さなければならないということである一方、競合のAppleは第3世代のiPadを発売しようとしている。

 また、ホイットマン氏の声明はその意味を測りかねるところがあり一部混乱を巻き起こしている。HPがもう1つのOSを必要としているのか、あるいはタブレット領域が全体として新OSの導入により利益を得るのかといったことだ。現在、AppleのiOSとGoogleのAndroidはタブレット領域の2大OSで、そこにWindows 8が2012年中ころに加わろうとしている。

 ホイットマン氏は、モバイルハードウェアビジネスから手を引くという決断を下したレオ・アポテカー氏から9月にCEO職を継承して、既に幾つか厳しい選択を下さざるを得なくなっている。

 HPがPalmのWebOS事業で繰延した損失合計は驚異の50億ドルに上るとされており、HPにとってWebOSの物語は簡単なものではなくなっている。その内訳はPalmとWebOSにかかわる一切を償却するのに費やした33億ドルにはじまる。HPは2年前に12億ドルという価格でPalmを買収した。しかし、HPはこのディールから教訓を得て、CEOのメグ・ホイットマン氏が述べたように、次回からより周到な投資が思慮深く行われるだろう。

 しかし、CEOは勇ましい面持ちで、「われわれは2013年に勝者になるべく努力します」と述べた。



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