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» 2011年12月01日 17時30分 UPDATE

ボイジャー、ついにHTML5ベースの新読書システム「BinB」を発表

ボイジャーはHTML5ベースのビューワ「BinB」を発表。12月8日に公開する。BinBで読める最初の作品には、黒澤明監督が小國英雄氏、菊島隆三氏とともに書き残し、成しえなかった一編の映画『虎 虎 虎』の準備稿など。

[西尾泰三,ITmedia]

 「自由な読書、自由な出版。これが本の未来だ」――20年にわたり電子出版のあるべき姿を考え続けてきたボイジャーは12月1日、新読書システム「BinB」を発表した。12月8日から公開予定の「BinB store」で利用可能となる。

 BinBは、Webブラウザで本を読む(Books in Browsers)という考え方に基づいて開発されたHTML5ベースのビューワで、7月に開催された「第15回国際電子出版EXPO」ではそのプロトタイプが公開されていた。HTML5に対応したWebブラウザ(Internet Explorerは現時点で未対応)であれば、PCでもMac OSでも、iPhoneやiPadを含むスマートフォンやタブレットでも、あるいはSONY ReaderやKindle Fireなどでもコンテンツを読むことができる。

 同社がこれまで手掛けていたドットブック(.book)のほか、PDF、そしてEPUB 3に対応。XMDFについても、総務省が呼びかけ電書協(日本電子書籍出版社協会)が主催した「電子書籍交換フォーマット標準化プロジェクト」の成果を利用して表示可能としている。縦書き/横書き、文字の拡大、本文検索といった基本機能はもちろん、TwitterやFacebookとの連携、ブログなどへのページ埋め込み(本そのものをエンベット表示)を機能として備える。

 「ネットワークに既存の書店を移築するような『本棚の世界』からは離れていこう。ネットワークすべてが書庫であり、どんな場所においても、即、本を開き、即、本を求められる、遭遇と発見のチャンスをつかむことこそ電子出版にもとめられている使命だ」(ボイジャー)

導入は12月8日午前0時から、作品は『虎 虎 虎』

tnfigvo2.jpg 小國英雄氏が保持したシナリオ(武者小路実篤記念館所蔵)

 BinBで読める最初の作品に選ばれたのは、『虎 虎 虎』準備稿(黒澤明・小國英雄・菊島隆三著)、『解説「虎 虎 虎」――根本的には悲劇であることが土台だ』(浜野保樹著)。かつて黒澤明監督が小國英雄氏、菊島隆三氏とともに書き残し、成しえなかった一篇の映画『虎 虎 虎』は、映画の脚本というよりも真珠湾攻撃へ至る当時の現実を克明に記録したもの。黒澤監督が撮影中に降板させられた事件によって、関係者が口をつぐんでしまったため、多くの事実が明らかにされないまま葬り去られて今日に至る。

 ボイジャーは今回、長い間死蔵されていたこの作品を明るみに出し、真珠湾攻撃から70年を経る12月8日、ここに真価を問う電子出版の試みとして、BinBでの閲覧を通して世に問い掛けようとしている。

黒澤明直筆絵コンテ 黒澤明直筆絵コンテ(近藤正司氏所蔵)
初出時、「『VOYAGER STORE』で利用可能となる」としましたが、正しくは、VOYAGER STOREとは別のストアサイトとして「BinB store」がオープン予定です。おわびして訂正します。


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