Penguinグループ、自主出版ツールを提供

米国大手6大出版社の1つであるPenguin Groupが作家向けのオンラインコミュニティーを立ち上げた。同社は電子出版を許容するのではなく、むしろそこに全力で取り組んでいる。

» 2011年11月24日 10時00分 公開
[Mercy Pilkington,Good e-Reader Blog]
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 米国Penguin Groupは今年初め、Webサイト「Book Country」を創設し、作家向けのオンラインコミュニティーを形成していく考えを発表した。Book Countryのゴールは、作家に必要な情報と人的ネットワーキングを提供し、作家としてのスキルを高めていくことにある。

 Book Countryは、作家向けに電子出版の機会を提供するだけでなく、作品を宣伝する能力とインターネット上での存在感を高めるのに役立つサービスの提供を開始した。β版の段階から好評を博しており、すでにメンバーは4000名を超える。参加は無料だが、登録が必要だ。

 米国Penguin Groupの代表取締役社長、デービッド・シャンクス氏はプレスリリースの中で「Penguinは電子出版分野でのリーダーシップを維持するのに全力を注いでいる。独自の出版サービスを提供することは、読者一般に幅広い作者を結びつけるというわれわれの戦略全体と一致する。Book Countryはほかでは入手することはできないガイダンスを提供する自主出版における1つの完成形です」と述べた。

 Book Countryで提供されるサービスとしては、電子版および印刷版書籍のフォーマット、表紙のデザインオプション、書籍作成時にインディー作家を支援する出版業界の専門家へのアクセスなどがある。

 「自主出版はなくならないトレンドです」とBook Countryの社長、モリー・バートン氏は言う。「自分の本を携えて読者に直接届けたい作家の数は増え続けています。われわれはその新たな現実と技術が書籍出版にもたらした変化を尊重します」。

 米国大手6大出版社の中で、Penguinは電子出版の必要性を許容するのではなく、多くの作家が検討している有力な選択肢だと認識して電子出版を受け入れている。Book Countryのサービスによって作家は電子版か印刷版かを選択する必要なく自分の作品を出版できる。作品を出版するのにどちらのオプションが良いのかまだ分からない作家にとって、電子版か印刷版かを選択しなければならないのは不満の種となっているだけに、この取り組みは興味深い。

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