79ドルの第4世代Kindleレビュー(2/2 ページ)

» 2011年10月14日 16時13分 公開
[Michael Kozlowski,Good e-Reader Blog]
Good E-Reader
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ソフトウェア

 新KindleはAmazon Kindle OSバージョン4.0の最新バージョンが搭載されている。メニューや書籍のロードは高速で、電子書籍閲覧時やWebブラウジング時のリフレッシュレートはKindleの前モデルと比べて向上している。

 ホームスクリーンは前モデルからほとんど変化していない。シンプルにデバイス内の書籍がリストされ、ページ送りボタンでその間をスクロールする。蔵書が多ければ、自分のコレクションを作成する機能も用意されている。メインの設定バーからはKindle Storeにアクセスしたり、ディスプレイの方向を変えたり、Webブラウザにアクセスしたり、同期したりできる。

 Webブラウザもほとんど変更されていないが、Webブラウジングを快適に行うための細かな機能が追加された。例えば、フォントの拡大縮小。フォントの小さなブログをフォントを大きくして表示するときなどに便利だ。わたしが驚いた最良の機能はArticleモードで、これはGood e-Readerのようなブログのテキストを画面にフィットさせ、読みやすくしてくれる。読み進めるのに右から左へスクロールする必要も、画面上のすべてのテキストを表示するのにフォントを小さくする必要もない。これまでのWebブラウジングエクスペリエンスの中で最良の機能だ。

 メインの設定メニューは同じ作品を読んでいるほかのユーザーのノートやハイライトを確認できるといった数々のオプションを備えている。ある作品がどのくらい人気なのか、ほかの人がどのようにTweetしたか、あるいはどのセンテンスでFacebookのステータスを更新したか、といったことを分かりやすく可視化してくれる。

 次に、電子書籍の経験について話そう。書籍は非常に素晴らしく、表紙とほかのイメージは高いコントラストと解像度で素晴らしい。KindleはKindle(AZW)、TXT、PDF、保護されていないMOBI、PRCをネイティブサポートし、HTML、DOC、DOCXも読み込める。Amazonはユーザーを自社のエコシステムに囲い込もうとしているが、そのエコシステム外のコンテンツ――例えば自炊コンテンツ――をロードすることもできる。Calibreなどを利用すれば、DRMで保護されていない書籍をEPUBなどの形式からKindleで読み込めるMOBIに変換することもできる。

 読書中は、ディスプレイの向きを水平から垂直モードへ簡単に切り替えられる。ユーザーが左利きであれば左側のページ送りボタンがシームレスにユーザーを補助してくれるだろう。読書エクスペリエンスを調節するオプションも用意され、フォントを変えたり、余白、行間隔を変更したりできる。快適に読むために大きめのフォントが必要なユーザーには朗報だろう。

 また、わたしは新Kindleがこれまでになくしっかりとしたページ送りをすることに気づいた。前世代のKindle 3Gと新Kindleを並べて比較したとき、奇妙なリフレッシュ時の問題には遭遇しなかった。前世代Kindleはページを送るとちかちかと明滅し、これは新Kindleでも同じなのだが、その頻度は6ページに1回ほどだ。これは読書体験の向上に寄与している。

 Kindle Storeもほとんど変更が加えられていないが、新聞、雑誌、書籍を購入する導線は数多く用意されている。例えば、New York Times Bestsellerの最新リストから気になる作品をすぐに買うこともできる。また、書籍にするには短すぎるが、新聞や雑誌の記事としては長すぎるコンテンツを集めた「Kindle Singles」は人気が高く、Kindle Storeに専用のセクションが設けられている。スティーブン・キング氏の最新書籍「Mile 81」の売り上げは絶好調で、Kindle Singlesでこれまでで最も成功した書籍だ。

 Kindle Storeにはゲーム専用のセクションも用意されており、ゲーマーも退屈することはない。その多くは安価に設定され、品ぞろえも豊富だ。

 書籍を買うのではなく借りるのが好きなら、Amazonが最近発表した「Kindle Lending」を利用するのがよい。Kindle Lendingはユーザーが図書館からKindleで読める電子書籍を借りることを可能にした。どのように書籍を借りるのかステップごとに解説した動画を作成中なので、お楽しみに。

 まとめると、ソフトウェアは新Kindle向けにより良くデザインされている。メニューはほとんど変わらないが、前モデルと比べて直感的に操作できる。ページのリフレッシュレートも素晴らしい。

われわれの考え

 新Kindleはほかのすべての低価格電子書籍リーダーに宣戦布告している。市場を見渡しても、99ドル以下に値付けされているモデルはほとんど見当たらない。新Kindleと競合するのはJetbook MiniAluratek Libre AirPocketbook 360 Plusなどだが、これらのデバイスは最も幅広いエコシステムを提供するAmazonの新Kindleにまったく敵わないだろう。

 価格以外で新Kindleが成功するだろうと筆者が考える理由はその携帯性にある。Amazonは物理キーボードとオーディオ機能を取り除いたことで、これまでで最軽量の電子書籍リーダーに仕上がった。簡単にバックポケットに収まり、多くの人がこのデバイスを持って旅行に行ったり、ビーチへ行ったり、休暇へ出かけたりするだろう。

 一方、幾つか欠点を挙げるなら、ソフトキーボードとメモリの拡張性がない点だ。蔵書数にもよるが、1Gバイトほどの容量では心もとない。また、上述したようにキーボードはユーザーがほとんどの電子書籍リーダー、スマートフォン、タブレットでも慣れ親しんでいる標準のQWERTYキーボードではない。

 とはいえ、正直なところ、長所がすべての短所を上回っている。わたしは最新のKindle OSが本当に好きだ。ユーザーもすぐにその違いを実感できるだろう。第3世代Kindleと第4世代Kindleを比較した動画で、前者はすべての点で後者より優れている。

 現在、このデバイスはオンラインでのみ販売されており店頭には並んでいない。米国外に居住している人が入手するのは非常に難しい。欧州、オーストラリア、ニュージーランドに居住している方で、このデバイスをすぐに入手したいのであれば、われわれの小売パートナーのShop e-Readersに注文するとよいだろう。休暇シーズンが間近に迫っており、このモデルは常に品薄となるだろう。

総合評価:9/10



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