出版業界ニュースフラッシュ 2011年9月第3週

出版業界で起こったニュースにならない出来事をまとめてお届けする週刊連載。こうしたトピックの中に今後のヒントが隠されているかも?

» 2011年09月20日 12時55分 公開
[新文化通信社]
新文化通信社

 先週出版業界で起こったニュースにならない出来事をまとめてお届けする本連載。こうしたトピックの中に今後のヒントが隠されているかも?

ディスクユニオン、新レーベル「DU BOOKS」で出版参入へ

 ディスクユニオンは今秋から「DU BOOKS」レーベルでの出版事業を開始し、音楽関連書を来年から月数冊のペースで刊行していく。同社は全国で音楽レコード専門店を展開するほか、レコード制作部門も運営している。昨年末からは、レコード・CDと音楽関連書を併売していた。広畑雅彦社長は、書籍の制作から小売りまで手がけたいとしている。

東海新報社、大船渡・陸前高田の震災写真集を刊行

 震災後約1カ月の被災地の様子を空撮した写真集「平成三陸大津波 空から見た爪痕」が東海新報社から刊行された。取扱いは直販のみ。価格は1429円。

 写真集には、海岸沿いに自生していた7万本の松「高田松原」が、津波の被害を受けて1本を残すのみになった様子などが写し出されている。

AMW、コミックレーベル「電撃ジャパンコミックス」を創刊

 アスキー・メディアワークスは9月15日、青年向けコミックの新レーベルを創刊した。初回ラインアップは、現在NHKが放送する「おびさま」をコミック化した『連続テレビ小説 おひさま』など計10作品。

 今後毎月15日に5〜6タイトルを刊行する。価格は600〜800円前後。同レーベルは昨年12月にリリースした無料の電子雑誌「電撃ジャパンコミックス」の連載作品を、紙版のコミックスにしたもの。

第13回「えんため大賞」、小説部門で8年ぶりに大賞を選出

 エンターブレインは9月15日、第13回「えんため大賞」3部門の受賞作を決定。ガールズノベルズ部門とコミック部門では、大賞は該当作なしとなったが、小説部門では8年ぶりに大賞を選出した。各部門の受賞作は次の通り。

小説部門:大賞=鳳乃一真「龍ヶ嬢七々々の埋蔵金」、優秀賞=道端さっと「明智少年のこじつけ」、特別賞=関根パン「キュージュツカ!」、セゴロ「実録!江戸前寿司部 誕生秘話」

ガールズノベルズ部門:大賞=該当作なし、優秀賞=石田リンネ「おこぼれ姫と円卓の騎士」、奨励賞=汐見まゆき「テキトー王子、父になる(七人!)。」

コミック部門:大賞=該当作なし、優秀賞=該当作なし、特別賞=鶴丸B太郎「抜け殻」、奨励賞=茂木清香「神曲『蛙町』」

講談社、松竹にミュージカル上演の差し止め請求

 講談社は9月14日、松竹が上演予定の韓国ミュージカル「美女はつらいの」が著作権侵害にあたるとして、東京地裁に上演差し止めの仮処分申請を申し立てた。

 同ミュージカルは、講談社が発行する漫画『カンナさん大成功です!』(鈴木由美子著)を原作とした映画の舞台版で、著作権者の許諾なく上演はできない。当初、韓国でミュージカル化を行ったKM cultureは、許諾を得ないまま2008年に公演していた。松竹が今回行うのは、その日本公演である。

 松竹は「着地点を見いだすべく協議を行ってきたが、今回の(講談社の)措置には驚いている」とコメント。10月8日から11月6日まで、予定通り上演する見通しだという。

「デジタルえほんアワード」設立、角川歴彦らが審査員に

 NPO法人「CANVAS」とデジタルえほんは、子ども向けデジタルコンテンツの普及を図り、「デジタルえほんアワード」を創設した。

 同アワードは、デジタルコンテンツの企画を募集する〈企画部門〉と、制作されたコンテンツを募集する〈作品部門〉を設ける。審査員は、角川GHDの角川歴彦会長、絵本作家のいしかわこうじ氏、精神科医の香山リカ氏などが務める。

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