NTTドコモが発表した2種類のXi対応Androidタブレット。「GALAXY Tab 10.1 LTE SC-01D」「ARROWS Tab LTE F-01D」は、広いユーザー層に支持されるかもしれない。
NTTドコモが9月8日に発表した2種類のXi対応Androidタブレット。Samsung電子製の「GALAXY Tab 10.1 LTE SC-01D」(以下GALAXY Tab 10.1)は、グローバルですでに発表されている「GALAXY Tab 10.1」のNTTドコモ向けモデル、富士通製の「ARROWS Tab LTE F-01D」(以下ARROWS Tab)は同社初のAndroidタブレットだ。
いずれもNTTドコモの次世代高速通信サービス「Xi(クロッシィ)」に対応し、下り最大37.5Mbps、上り最大12.5Mbps(一部の屋内施設では下り最大75Mbps、上り最大25Mbps)の通信が可能。また、端末の発表に合わせてXiの料金プランが改定されている。詳しくは「Xiに新料金プラン 既存の料金プランも改定――7Gバイト以上で通信制限、追加料金で解除」で紹介しているが、月間の累計データ通信料が7Gバイトを超えると追加料金を支払わない場合は通信速度が128Kbpsに制限されることが明らかにされるなど、増え続けるトラフィックに対するキャリア側の対応が徐々に具現化することになりそうだ。なお、NTTドコモによると、データ通信利用者の98%は月間のデータ通信量が7Gバイト以内に収束するとしている。上述の「7Gバイト超対応」は、2012年10月1日からの適用となっているため、当面はXiの速度を思う存分堪能できるだろう。
市場では7インチのAndroid端末が新たなタブレット需要を狙って次々に投入される中、今回発表された2製品は、いずれも約10.1インチワイドXGA(1280×800ピクセル)TFT液晶を搭載し、OSにはAndroid 3.2を搭載している。
ハードウェアスペックとしては、Android 3系を搭載するほかのタブレット端末とさほど違いはない。同じ10.1インチのAndroidタブレットとして、3月にKDDIから発売された「MOTOROLA XOOM Wi-Fi TBi11M」も加えて主要なスペックを比較したものが以下の表だ。
GALAXY Tab 10.1 LTE SC-01D | ARROWS Tab LTE F-01D | MOTOROLA XOOM Wi-Fi TBi11M | |
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CPU | Qualcomm Snapdragon APQ8060/MDM9200(1.5GHz) | Texas Instruments OMAP4 1GHz | NVIDIA Tegra 2 1Ghz |
サイズ(幅×高さ×厚さ) | 約257×175×8.6ミリ | 約262×181×11.3ミリ | 249×167×12.9ミリ |
重さ | 約565グラム | 約597グラム | 約700グラム |
RAM/ROM | 1Gバイト/16Gバイト | 1Gバイト/16Gバイト | 1Gバイト/32Gバイト |
外部メモリ | microSD/microSDHC/SD(最大32Gバイト) | microSD/microSDHC(最大32Gバイト) | microSD(最大32Gバイト) |
バッテリー容量 | 7000mAh | 6560mAh | 6500mAh |
アウトカメラ | 有効約320万画素CMOS | 有効約510万画素CMOS | 有効約500万画素CMOS |
インカメラ | 有効約220万画素CMOS | 有効約130万画素CMOS | 有効約200万画素CMOS |
Bluetooth | Ver3.0 + EDR | Ver2.1 + EDR | Ver2.1 + EDR |
通信方式 | IEEE802.11a/b/g/n | IEEE802.11b/g/n | IEEE802.11b/g/n |
XOOMの国内販売開始から6カ月ほど経過していることを考えると、今回発表された2製品のスペックは順当に向上している。特に、GALAXY TabではCPUや重量、バッテリー容量などで目を引くものがあり、ハイスペックなAndroidタブレットを求めているユーザーには有力な選択肢となるだろう。GALAXY Tabについては、SamsungがAppleと特許訴訟で係争中で、欧州などでは販売差し止めの仮命令が下されるなどしているが、NTTドコモの山田隆持社長はGALAXY Tabの国内販売について、「端末販売に支障はないとSamsungから聞いている」と述べている。
一方、ARROWS Tabの大きな特徴としては、「ワンセグ搭載」「防水(IPX5/IPX7等級)機能」が挙げられる。特に後者はこれまでのAndroidタブレットには見られない特徴的な機能で、ユーザーの購入意欲を刺激している。さらに富士通は手をかざすだけで操作できる「ハンドジェスチャーコントロール」機能をARROWS Tabに搭載している。これは、端末のインカメラに向かって手を動かすことでタッチ操作の代替とするもので、例えば入浴中などでも手をかざすだけでワンセグのボリューム調節やチャンネル切り替え、ホーム画面の切り替え、スクロールなどの操作を行うことができるというものだ。
両製品とも複数のアプリケーションがインストールされるが、電子書籍関連では、NTTドコモと大日本印刷が推進する電子書籍ストアアプリ「2DFact」が両製品に、ARROWS Tabには富士通の電子書籍ストア「BooksV」のAndroidアプリ(正確にはアプリをダウンロードできるショートカット)も用意される。現時点でBooksVはAndroid向けのアプリを一般には提供していないので、このアプリはARROWS Tab専用として端末の差別化につなげるつもりなのかもしれないが、端末の販売時期、またはそれに前後してAndroidアプリをリリースするといった動きがあるかもしれない。
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