7インチの「Kindle Tablet」、250ドルで11月中の発売が濃厚に

5月辺りから話題を集めていた米Amazon.comのタブレットがいよいよその秘密のベールを脱ぎ捨てたようだ。「Kindle Tablet」という名称で、まずは7インチタブレットが11月に250ドルで販売されるという。

» 2011年09月04日 00時48分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

 5月辺りから話題を集めていた米Amazon.comのタブレットがいよいよその秘密のベールを脱ぎ捨てたようだ。

 米国テクノロジーメディアTechCrunchなどが伝えるところによると、当初予想されていた7インチと10インチのタブレットのうち、7インチが先行して11月末に発売され、10インチモデルは2012年第1四半期に発売されることになりそうだ。10インチクラスのタブレットがほぼiPadの独壇場であり、HPのTouchPadがたどった運命を考えると、これは賢明な判断だといえる。Appleが参入していない7インチのタブレット市場については複数のベンダーから相次いで製品が発表されているが、Amazonの7インチタブレットは後方からあっという間にそれらを追い抜いてしまうことになるかもしれない。

 製品名が「Kindle Tablet」になるとみられるこのタブレットは、Kindleとしては初のフルカラースクリーンを備え、2本指でのマルチタッチが可能だという。見た目はResearch in Motion(RIM)の7インチタブレット「BlackBerry PlayBook」に近いようだ。

 本体にはハードウェアボタンがないことから、Android 3系が搭載されるとみるのが妥当だが、幾つかのメディアではAmazonはAndroid 2系からフォークさせたAndroidを採用していると伝えている。いずれにせよ一般的なAndroidタブレットとはUIがかなり異なるようだ。

 内蔵メモリは6Gバイトではないかと伝えられており、SDカードスロットなどの外部メモリスロットおよびカメラは非搭載で、microUSBポートが搭載されるという。現時点で確認されているのはWi-Fiモデルのみだが、3Gモデルも検討されているようだ。

 Amazonが提供しているサービスが強固に統合され、Amazonのオンラインストレージ「Cloud Drive」、クラウドミュージックサービス「Amazon Cloud Player」、VODサービス「Amazon Instant Video」、電子書籍リーダー「Kindle app」などが用意され、アプリストアはGoogleのAndroidマーケットではなく「Amazon Appstore」を採用する。

 気になる価格は、250ドル(約1万9200円)と伝えられている。この価格は、E-Inkを採用した従来のKindleと比べれば高価だが、ほかのAndroidタブレット、あるいはiPadと比べると圧倒的な安さで、Amazonはさらに、現在年額79ドルで提供しているAmazon Primeをこのタブレットの購入者に無料で提供することも検討しているという。

 ちなみにこの価格帯は、競合であるBarnes & Nobleからリリースされている7インチのフルカラーAndroidタブレット「NOOK Color」(249ドル)を強く意識したものであることは言うまでもない。Barnes & NobleもNOOK Colorの後継モデルを9月に発売する予定であるとDigitimesが伝えているが、Barnes & Nobleには厳しい戦いが待っていそうだ。

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