TSUTAYA全1414店舗の中で最大の店舗面積を誇る“超”巨大店「蔦屋書店 前橋みなみモール店」がオープンした。群馬のご当地アイドルAKGの中心メンバー、矢端名結さんも大興奮の巨大店舗は、オンラインでは得がたい楽しさに満ちている。
インターネット上では、アフリカ諸国の画像などを添えて「未開の地グンマー」とするパロディが人気だ。それに対して群馬県知事の大澤正明が、「未開という言葉はこれから発展するという言葉」と切り返したりもしているが、そんな群馬県に8月26日、新たな名所が誕生した。
その名所とは、「蔦屋書店 前橋みなみモール店」。いうまでもなくあのTSUTAYAだ。すでに群馬県内には17店舗のTSUTAYAが存在しているのだが、今回オープンしたのは、TSUTAYA全1414店舗の中で最大売場面積を有する超巨大店。同店はフランチャイズ加盟企業のトップカルチャーが運営する70店舗目のTSUTAYA店舗となる。
同店は、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が今後展開を予定している5000平方メートル超級の超大型TSUTAYA店舗の1号店。その店舗面積は1737坪(約5744平方メートル)。TSUTAYAの標準的な店舗面積は約300坪(約1000平方メートル)、地方郊外型の店舗面積でも約400坪(約1300平方メートル)であることを考えると、圧倒的な店舗面積だ。以下はTSUTAYA旗艦店の店舗面積だが、これらと比べても突出した店舗面積となっており、文句なしに「最大のTSUTAYA」といえる。
店舗 | 店舗面積 |
---|---|
SHIBUYA TSUTAYA(東京都渋谷区) | 1030坪(約3400平方メートル) |
TSUTAYA EBISUBASHI(大阪府大阪市) | 850坪(約2800平方メートル) |
TSUTAYA天神駅前福岡ビル店(福岡県福岡市) | 964坪(約3183平方メートル) |
場所は、北関東自動車道前橋南ICを下りてすぐ。この辺りには、群馬県民なら誰でも知っているベイシアグループの店舗を中心に、コストコなども出店している地方郊外型のモールが存在する。全国でも有数の車社会である群馬県において、この巨大な地方郊外型のモールはかなりのにぎわいを見せている。
オープンの様子を取材しようと店舗足を運んだ記者の目に飛び込んできたのは、鮮やかな制服に身を包む一人の少女。群馬発のご当地アイドルユニット「AKG」でメインのグループであるチームGに所属する矢端名結さんだ。せっかくなので、彼女に蔦屋書店 前橋みなみモール店を紹介してもらおう。
店舗に足を踏み入れると、距離感がおかしくなってしまったのではないかと思えるほどの広さにまず圧倒される。店舗は数字から感じる以上に広い。
店舗は大きく4つのゾーンに分けられている。専門書を含めた書籍を扱う「Aゾーン」、コミックのほか、キッズ向けのグッズが置かれた「Bゾーン」、雑誌を扱う「Cゾーン」、そしてCD/DVDレンタルや文具を扱うゾーンだ。
書籍売場は約900坪の広さで、その品ぞろえは実に60万点。専門書などもしっかりとそろえられている様子は圧巻だが、約330坪の大型文具・雑貨売場、約90坪のキッズコーナーも用意されている。スクリーントーンを始めとした画材、そして文具の品ぞろえもすばらしい。
「これっ!」と矢幡さんが示すのは、タジン鍋。その周りには料理関係の書籍などが並ぶ。書籍だけでなくその関連商品も並ぶこうした空間作りは、書籍が生活に与えるインパクトを再考し、そこからのアクションを起こす消費者の背中をそっと押してくれるような店舗作りを行っていることが分かる。
また、店舗内にはタリーズコーヒーが併設されているが、入り口には「ご購入前の本の持ち込み可能です」と書かれた箱が置かれている。そう、ここでは、購入前の書籍を持ち込んでコーヒーなどを飲みながらゆっくりと読むことができるのだ。また、自由に使えるiPadも何台か置かれ、映画などTSUTAYAお勧めのコンテンツを観ることができるようになっている。
蔦屋書店 前橋みなみモール店のコンセプトは、「創造の杜」。話題の作品・商品はもちろん、探しているものも必ず見つけることができ、さらには新たな楽しみにも出会うことができる、そんな場所を意識している。TSUTAYAといえばレンタルという固定観念を打ち破るような店作りは、これまでTSUTAYA店舗に足を運ぶことの少なかったような方を振り向かせる魅力に満ちている。書籍についていえば、書籍は紙か電子か、といった議論以前に、TSUTAYAが実店舗でできることは何かを示しているようにすら思えるし、実際足を運んでこの広大な物理空間で本や本の内容を具現化できる商品を目にしていると、実際に何か行動してみようという気持ちにさせられる。
CCCでは今年度内にこうした超巨大店舗をあと2店舗オープンさせる予定としている。近くにできたら足を運んでみると新しい発見があるかもしれない。
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