Algonquin、紙書籍と電子書籍を一括販売

書店は今、商売を成立させるためのさらなる方策を必要としている。ここでは、顧客を書店に呼び戻す必要性から生まれた1つの創造的なアイデアを紹介しよう。

» 2011年07月11日 13時00分 公開
[Mercy Pilkington,Good e-Reader Blog]
Good E-Reader

 実店舗を持つ本の売り手は電子書籍リーダーの登場以来、その状況を心配しつつも手をこまねいてきた。少なくとも、線香花火のような一時の流行として電子書籍を片づけてしまわなかった人々はそうだ。

 しかし、ますます多くの企業が電子コンテンツ部門での高利益とほとんどすべてのジャンルにおよぶ莫大な電子書籍の売り上げを発表するにつれ、書店は――主要チェーンと小さな町の書店のどちらも――商売を成立させるためのさらなる方策を必要としている。

 顧客を書店に呼び戻す必要性から1つの創造的なアイデアが生まれた。Workman Publishingのレーベル、Algonquinは7月中にBarnes & Nobleの300以上の店舗で購入された同社のペーパーバック1冊ごとに電子書籍の割引を顧客に提供している。顧客が該当する12冊のタイトルから1冊を購入すると、その12冊の電子書籍版のうち、どれか1冊を3ドルの割引価格で購入できる機会が提供される。今年末に、Algonquinはさまざまなチェーン書店および独立系書店でハードカバー版の購入ごとに無料で電子書籍版の提供を開始する。ヒラリー・ジョーダン氏の新刊、When She Wokeのリリースがその嚆矢となる。

 同じ本を2種類のフォーマットで所有するのは不必要だと思われるかもしれないが、電子書籍と紙書籍を両方所有することには幾つかの利点がある。映画産業は映画DVDの購入ごとにデータの無料ダウンロードの提供を開始し、それが受けの良い販売奨励策であることを見出した。今、同様のことが書籍の世界でも起きようとしている。より重要なのは、多くの読者が同じ書籍を異なるフォーマットで購入する必要性を見出していないということで、Algonquinが提案するような販売奨励策により、読者はもはや紙書籍か電子書籍かを選択する必要がなくなるかもしれない。

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