紀伊國屋書店、ソニー、パナソニック、楽天が電子書籍ビジネスで共同戦線

紀伊國屋書店、ソニー、パナソニック、楽天の4社は、電子書籍の利便性向上に向けた取り組みを共同で検討していくことで合意した。この枠組みの中で、電子書籍ストアや端末間の制限を緩やかにする意向だ。

» 2011年06月13日 17時43分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

 紀伊國屋書店、ソニー、パナソニック、楽天の4社は6月13日、日本での電子書籍サービスを普及拡大させる取り組みを検討していくことで合意した。

 具体的な取り組みとして、2011年後半から4社がそれぞれ提供、運営している電子書籍端末や電子書籍ストアが相互接続できる環境の構築を進める。

 ソニーは2010年、電子書籍専用端末「Reader」の国内販売を開始、併せて電子書籍ストア「Reader Store」を設立している。また、紀伊國屋書店は先日、スマートフォンやタブレットに向けて電子書籍ストア型のアプリを配信開始した。また、楽天は「楽天ダウンロード」「楽天ブックス」での紙・電子書籍販売を以前から展開しており、パナソニックは「ビエラ・タブレット」のリリースに合わせ、映像/電子書籍の配信事業を開始する予定とされている。

 各社のサービスとハードウェアを透過的に扱えるこの取り組みにより、電子書籍の課題とされていた部分の幾つかが解消される見込みで、購入した電子書籍の利活用が進むことが期待される。また、リアル書店、ネット書店、電子書籍ストアの売れ筋情報などを集約するポータルサイトの開設なども予定されており、hontoなどが掲げるビジョンと同様、紙と電子のハイブリッドな展開が予想される。

 ソニーは2010年11月、凸版印刷やKDDI、朝日新聞社とともに電子書籍共通配信プラットフォームを提供する目的で「ブックリスタ」を事業会社化している。その後ブックリスタは第三者割当増資を実施し、増資後の株主構成でソニーは30%を占めているが、今回の協業ではこのブックリスタと連携する可能性が示唆されている。

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