JETRO、中国の電子書籍市場をまとめたレポートを公開

コンテンツプロバイダーが中国市場でのビジネス展開を模索するなか、日本貿易振興機構が同市場について調査した結果をレポートとして公開した。中国の電子書籍市場がよく分かるレポートだ。

» 2011年06月13日 16時53分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

 世界的に電子書籍マーケットが拡大する中、コンテンツプロバイダーはアジアの巨大市場、中国市場にビジネスを展開できないか模索している。実際、電子書籍リーダー端末、コンテンツとも相応に充実してきており、中国政府の一部門である新聞出版総署などからは今後の電子書籍産業の発展を促す旨の発表が出されるなど、同国における同市場の成長に中国政府も興味を示している。

 しかし、中国のソフト/コンテンツ産業で問題となる海賊版など、中国市場への参入に足踏みする企業もあるだろう。

 そうした中、日本貿易振興機構(ジェトロ)がまとめた68ページにおよぶレポート「中国の電子書籍市場調査」は、上述した点を踏まえ、2011年3月末時点の中国の市場状況を明らかにしたもので、日本のコンテンツ関連企業などが市場参入を考える上で有用な資料となっている。

 このレポートでは、中国の電子書籍市場に関する複数の統計データなどから電子書籍を取り巻く環境を概観した内容となっており、中国での電子書籍販売部数や作品数、そこからの利益、読者数、有料コンテンツに対する考え方、市場の有力なプレイヤーなど、中国の電子書書籍市場が徹底解剖されている。

 レポートでは、「日本の漫画コンテンツはすでにある程度浸透しており、入り口として漫画コンテンツ、それと同時進行でそのほかのコンテンツの導入方法を探ることになるだろう」と結んでいる。

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