世界タブレット市場は2015年までiPadが君臨――米Gartner予測

2015年にはGoogleのAndroidのシェアが約4割に拡大し、首位のiOSは50%を切るとGartnerはみている。

» 2011年04月12日 07時35分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米AppleのiPadは今後数年は世界タブレット市場に君臨し続けると米調査会社のGartnerはみている。同社が4月11日(現地時間)に発表した予測によると、iPadのプラットフォームであるiOSのシェアは、2011年には68.7%、2012年には63.5%と過半を占めるが、2015年には米GoogleのAndroidの台頭により、47.1%になるという。

 iPadの強さについて、同社の調査担当副社長を務めるカロリーナ・ミラネシ氏は、Apple以外のメーカーがまずハードウェアを発売してからプラットフォームのエコシステムを構築しようとしているのは誤った方法だと指摘する。「タブレットはスマートフォン以上にハードウェアよりもアプリケーション、サービス、ユーザー体験が重要であり、それに早く気付いたメーカーにAppleと競うチャンスがある」(ミラネシ氏)

 Androidについては、2011年の19.9%から2015年には38.6%に拡大するとみている。Gartnerのアナリスト、ロベルタ・コッザ氏は「Googleがタブレット向けプラットフォームであるAndroid 3.0(コードネーム:Honeycomb)でライセンスモデルを変更したことで、価格帯低下のペースはスマートフォン市場よりも遅くなるだろう」と指摘する。この指摘は、GoogleがHoneycombのソースコード公開を延期すると発表したことに基づいているが、GoogleのAndroid開発責任者であるアンディ・ルービン氏は4月6日の公式ブログでライセンスモデルを変更したわけではないと明言している。

 カナダのResearch In Motion(RIM)のPlayBookに搭載されるQNXは2015年にシェアを10%獲得するが、米Hewlett-Packard(HP)のwebOSは3%、MeeGoは1%とGartnerはみている。

 ミラネシ氏は「スマートフォンユーザーは、所有しているスマートフォンと同じOSが搭載されているタブレットを購入したいと考える」ことから、Android搭載タブレットのメーカーは、タブレットでは自社スマートフォンとのクロスブランド戦略を考慮すべきだとしている。

世界タブレット市場予測(2010年のランク順)
OS名 2010年 2011年 2012年 2015年
iOS(台数、単位:千台) 14,766 47,964 68,670 138,497
iOS(シェア、%) 83.9 68.7 63.5 47.1
Android(台数、単位:千台) 2,502 13,898 26,382 113,457
Android(シェア、%) 14.2 19.9 24.4 38.6
MeeGo(台数、単位:千台) 107 788 1,271 3,057
MeeGo(シェア、%) 0.6 1.1 1.2 1.0
webOS(台数、単位:千台) 0 2,796 4,245 8,886
webOS(シェア、%) 0.0 4.0 3.9 3.0
QNX(台数、単位:千台) 0 3,901 7,134 29,496
QNX(シェア、%) 0.0 5.6 6.6 10.0
その他(台数、単位:千台) 234 432 510 700
その他(シェア、%) 1.3 0.6 0.5 0.2
台数総計 17,610 69,780 108,211 294,093
(資料:Gartner)

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