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» 2011年03月08日 11時00分 UPDATE

それゆけガジェット調査隊:裁断なしのデジタルデータ化――お手軽“自炊”スキャナ「Simply Scan A3」を試す (1/2)

書籍を「裁断→スキャン」してデジタルデータ化する行為、いわゆる「自炊」を行うユーザー向け、書籍を裁断しなくてもスキャンが可能な非破壊的スキャナ「Simply Scan A3」がノバックから登場した。実際にはどのようなものなのか検証してみよう。

[池田圭一,ITmedia]
tnfigaa50.jpg 製品パッケージにも「自炊」の文字が

 今回紹介するのは「Simply Scan A3(NV-PS500U)」、メーカーのノバックは“A3スキャナ”と称しているが、その実体はUSBカメラ(いわゆるWebカム)である。

 この製品でノバックが訴求するのは、書籍を「裁断→スキャン」してデジタルデータ化する行為、いわゆる「自炊」。製品パッケージにも「自炊」という文字があり、自炊ユーザー向けの工夫が見られる。恐らくユーザーが「おっ」と思うのは、同製品が書籍を裁断しなくてもスキャンが可能な「非破壊的」スキャナに属している点だろう。書籍を裁断せずにスキャンできてしまうことは、著作権法の観点から懸念がないわけではないが、製品としては興味深い。早速、ノバックから製品をお借りしたNV-PS500Uを見ていこう。

コンパクトに収納できるアームつきカメラ

 2010年7月に発売されたA4判対応スキャナ「Simply Scan(NV-PS200U)」の上位機として2011年2月に発売されたのが、今回紹介する「Simply Scan A3(NV-PS500U)」である。カメラの性能を向上させるとともに、カメラを支持するアーム部分を長く伸ばすことで、撮影可能範囲をA4からA3判サイズにしたものだ。

 中央付近で折りたたまれた黒いアームが特徴的で、先端にはカメラが付いている。台座部分にはUSBポートと、照明(LEDライト)のオン/オフを行うスイッチがある。本体サイズは、設地部分が85×110ミリ、高さ375ミリ。質量は1584グラム、台座部分を重くしてあるためか、自立させたときの安定性はよい。電源などは特に不要で、USBバスパワー動作に対応している。

tnfigaa31.jpgtnfigaa32.jpg 頑丈なアームが印象的なSimply Scan A3。台座部にはUSBコネクタおよび照明オン/オフスイッチがある。立てたまま収納できるので狭いスペースにも置ける

 では、アームを270度回転させスキャン(撮影)スタイルにしてみよう。この状態ではB5判サイズの原稿読み取りに最適化されているが、折れ曲がり部分のボタンを押しながら上部アームを上に引くとアームが伸び、A4/A3判サイズの原稿読み取りにも対応する。あとは本体下部に付属のマットを敷けば準備完了で、後述する専用アプリを組み込んだPC側から操作できる。

tnfigaa33.jpgtnfigaa34.jpgtnfigaa38.jpg アームをくるりと回転させ、撮影状態に。上部が軽いため安定性は高い。サイズの大きなものをスキャンするには、ボタンを押しながら内部アームを引き出す。撮影対象のおよその目安が記されている
tnfigaa36.jpgtnfigaa37.jpg 名刺〜ハガキ、A5〜A3まで、原稿位置および本体設置場所が記されたマットが付属する。表裏で黒白反転しているので、原稿に合わせて使い分けたい

 使用時の形状を見てお気づきの方もいると思うが、この形状は従来「書画カメラ」あるいはオーバーヘッドプロジェクター(OHP)と呼ばれてきたものに似ている。書画カメラは、平面台に置いた物を真上から撮影し、フィルムに残したりスクリーンに投影したりする装置で、教室や講堂などで手元のものを大きく見せるのに役立っていた。

 この書画カメラを、USBバスパワー動作のカメラと伸縮アームで再現したのがNV-PS500Uだ。このため、イメージスキャナというよりは「静止画キャプチャーが可能なビデオカメラ」と見るのが正しいのだろう。もちろん、取り込みイメージをプロジェクタで投影すれば、手元の物を大きく見せる書画カメラとしても利用することができる。

高画質、500万画素のカメラを搭載

 カメラ部をもう少し詳しく見てみよう。

 アーム先端のカメラ部は、取り外しこそできないものの、こちらも原稿の向きに合わせて270度回転させることができる。レンズ周辺には8灯の白色LEDがついており、原稿を照らすことができる。照明ユニットを取り外しての操作も可能だ。

tnfigaa39.jpgtnfigaa40.jpg カメラ部も270度回転する。モニター表示を見ながら微調整が行なえるので便利だ

 被写体へのピントあわせは、カメラ部のダイヤルを回すことで行う。マニュアルや仕様には特に記されていなかったが、レンズ前5〜6センチから無限遠まで合焦させることができた。平らな原稿台などを用意すれば、マクロ撮影や風景撮影などにも応用が利く。対象が暗いと自動的に感度が上がって画像にノイズが出るようになるので、LEDライトをうまく使いたい。ただし、LEDライトを使う場合でも雑誌のグラビアなどでは反射が目立つこともある。

tnfigaa41.jpgtnfigaa42.jpg カメラ部拡大、中央にレンズが見える(写真=左)/LEDライト点灯時、通常の本の紙なら十分に照らしてくれる。この照明ユニットは取り外しも可能(写真=右)

 撮像素子は、映像の感じからすると恐らくCMOS。NV-PS500Uの取り込み解像度は最大2592×1944ドット。A3判サイズの原稿を全面を96dpiで取り込む場合は2505×1773ドットあればよいため、このサイズに納まる計算だ。ただし、レンズ口径が小さいため光学的な解像力はさほど期待できない。実際に取り込んだA3イメージを見ても、文字の輪郭などがややぼやけた画像になることが多かった。

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