iPad、米国ユーザーの利用実態は調査リポート

9割以上が毎日1回以上使っており、1日の平均利用時間は83分――。電通総研が、米国のiPadユーザーの利用実態調査の結果を発表した。

» 2011年02月04日 18時59分 公開
[ITmedia]

 電通総研は1月28日、米国のiPad保有者を対象とする利用実態調査の結果を発表した。調査は2010年10月21日から同27日まで、米国のインターネット調査パネルを利用して20代から60代の男女を対象に実施したもので、サンプル数は413人。

 同調査から、米国のiPad保有者にはほぼ毎日端末を利用する習慣が定着していることが分かった。毎日1回以上利用する人が9割を超え、1日の平均利用時間は83分と、1時間を大きく超えている。

Photo iPadの利用頻度と利用時間

 端末の利用目的は、「電子メール」(66.6%)が最多となり、以下「Webの閲覧」「ソーシャルネットワーキング」「電子書籍」「ゲーム」が50.1%、「オンラインショッピング」が46.0%と続いた。PC代わりとなる使い方がトップ3を占め、コンテンツは電子書籍とゲームの人気が高いことが分かった。

Photo iPadの利用目的

 iPad保有者に、ほかにどんなデジタル端末を持っているかを聞くと、「スマートフォン」が78.5%、「PC(ラップトップ・ネットブック)」が61.5%、「携帯型ゲーム機」が43.8%、「電子書籍端末」が33.4%となった。

 また、iPadと電子書籍端末を併用しているユーザーに、それぞれで電子書籍を読む時間について聞くと、iPadから読む時間の方が長いという人が42.0%、同等であるとした人が29.8%、電子書籍端末と回答した人が28.2%となった。「iPadの方が長い」という人が4割を超えているが、閲読時間のシェアではiPadが51.3%、電子書籍端末が48.7%と、ほぼ拮抗している。同社では、最も熱心な愛読家層を中心に、電子書籍端末の利用の比重が高いものと分析している。

 電子書籍・電子雑誌の購読数調査回答者がiPadで購読している電子書籍は、平均換算値で3.2冊、電子雑誌は2.7誌となった。また、紙の書籍の購読数はiPad以前に2.8冊だったものが、調査時点の直前1カ月では2.9冊となっている。同様に紙の雑誌の購読誌数はiPad保有以前が3.2誌、直前1カ月が3.3誌だった。今回の調査では、電子版の普及に伴う紙の書籍や雑誌の購読数にマイナスの影響は確認されなかった。

Photo 書籍や雑誌の購読数の変化

 最近1カ月のiPad版電子雑誌の購読率を調べると、20代が70.0%、30代が72.6%、40代が64.7%、50・60代が47.4%となった。同様にiPad版電子新聞の最近1カ月の購読率は、20代が69.1%、30代が58.0%、40代が60.3%、50・60代が55.1%。電子雑誌や電子新聞は、20代から30代の若年利用者を中心に新しい読者を獲得しているが、新聞社のデジタルニュース配信をPCで閲覧すると回答した端末保有者は39.2%に達しており、タブレット端末専用の電子新聞アプリなどを用いてアクセスするケースを上回っている。

 なお、タブレット端末で読んでみたい電子書籍/雑誌/新聞について聞くと、電子書籍については「動画や音楽が入っているもの」(41.6%)という回答が最多となり、電子雑誌は「テキスト読み上げ機能があるもの」(43.6%)、電子新聞は「ディスプレイで読みやすくレイアウト」(36.6%)がそれぞれトップとなった。3種に共通して多かったのは「ディスプレイで読みやすいようレイアウトされたもの」という回答で、いずれも4割前後の支持を得ている。また、「本文からのネット上の関連情報へのリンク」や「本文の話題で他の読者と広くつながる」などの項目は、電子書籍よりも電子雑誌や電子新聞で利用したいとする回答者が多かった。

Photo タブレット端末で読んでみたい電子書籍/電子雑誌/新聞

 米国iPad利用実態調査は、PDF形式のレポートと図表集がCD-R形式でまとめられている。価格は9万8000円。

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