Readerでの見やすさを考えて、ScanSnapのスキャン設定にもこだわりたい。カラーモードは、基本的に「白黒」でOK。モノクロにしたほうが文字がしゃっきりして読みやすいし、ファイルサイズも小さくて済む。図版を重視する場合のみ「グレー」で取り込むといい。この辺りについては、同じE inkを採用するKindleの記事が参考になるだろう。
画質は「スーパーファイン」をお勧めしたい。ノーマル/ファイン/スーパーファイン/エクセレントと4段階あるが、ノーマルとファインではコピー機を通したように文字が少しかすれてしまう。スーパーファインなら、ページプリンタで印刷したようなきれいさだ。筆者の基本的な取り込み設定は以下のような感じだ。
取り込み設定 | ファイルサイズ |
---|---|
白黒/スーパーファイン | 39.4Mバイト |
白黒/ファイン | 23.2Mバイト |
白黒/ノーマル | 16.4Mバイト |
グレー/スーパーファイン | 53.2Mバイト |
スキャン設定では、「検索可能なPDFにします」にもチェックを入れておくといい。スキャン後にOCRを実行してテキストを埋め込んでくれるようになる。日本語認識の精度も結構高く、筆者が試した限りでは、ほぼ原文のまま取り込まれた。
この設定をオンにしておくことで、Reader上で検索が可能になる。例えば、誰かのブログで引用されていた文章が気になった場合に、キーワードで検索して該当個所を読むことが可能だ。また、テキストを埋め込んでおくことで、マーカー機能で気になった文をメモしておき、あとで一覧から内容を確認しながらたどれるようになる。
また、テキストを埋め込んでおくと、マーカーを付けることができる。普通は付属のスタイラスペンを使うが、一応、手でもマークすることが可能だ。
スキャンが終わったら、あとはドラッグ&ドロップでReaderに転送して読むだけ。ただし、標準状態では、スキャンした文庫本と画面の縦横比が合わずに左右に「黒帯」(正確にはグレー帯)が入って表示される。より文字を大きく表示するために、ズームボタンを押し、横幅に合わせてページを拡大しよう。そのまま画面右上の「ロック」を押せば、書籍を読み終わるまで拡大表示が続く。
以下は、モノクロ/スーパーファインの設定で取り込んだPDFをページ送りしたところ。ボタンを押してから若干待たされる印象だが、個人的にはそこまで不満はない。ちなみに自炊したPDFは左開きになるため、ページを進めるときは「>」ボタンを押すことになる。
ということで、MacでReaderを活用する手段について、今回は手持ちの文庫本をスキャンする方法について、作業ポイントを交えながら紹介した。次回は、別の電子書籍ストアからの「お取り寄せ」について解説しよう。
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