パブーの「第1回 絵本コンテスト」、大賞受賞作が決定

パブーが作家発掘プロジェクトの第一弾として開催していた「第1回 絵本コンテスト」の結果が発表された。大賞を受賞したのは、実在する「ニコニコ商店街」をモデルにした、昔ながらの温かい人々の交流が描かれたソ・ミジ氏の「ニコニコしょうてんがい」。

» 2010年11月11日 17時57分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

応募作品355点、大賞はソ・ミジ氏の「ニコニコしょうてんがい」

ニコニコしょうてんがい 大賞を受賞した「ニコニコしょうてんがい」。パブー上では無料で公開されており、誰でも読むことができる

 GMOインターネットグループのpaperboy&co.は11月11日、同社が運営する電子書籍作成販売プラットフォーム「パブー」で行われていた「第1回 絵本コンテスト」の結果を発表した。応募作品355点の中から大賞に選出されたのは、ソ・ミジ氏の「ニコニコしょうてんがい」。

 パブーは、個人でも電子書籍を作成・公開・販売できる電子書籍作成販売プラットフォームとして6月にpaperboy&co.が立ち上げたもの。11月5日時点でのユーザー数は1万7000人を超え、約6000作品の電子書籍が公開されている。既存の出版業界の外で起こっている電子書籍のムーブメントとして注目されるサービスだ。

 このパブー上で、個人による電子書籍出版を活性化させることを目的とする「パブー作家発掘プロジェクト」が立ち上がったのが9月のこと。その第一弾が今回の絵本コンテストだった。

 応募作品355点の中から大賞に選出された「ニコニコしょうてんがい」は、日本で絵を描くために韓国から来日したソ・ミジ氏の作品。ミジ氏は応募の際のコメントとして、以下のように作品を紹介している。

2006年、日本で絵を描くために韓国から来ました。ソ・ミジといいます。日本で住む家を探していると、ある街に「ニコニコ商店街」がありました。その名前を見て、なんだかワクワクしてきたので、その場所に住むことに。初めて住んだ、異国の地は、なつかしい子供心を感じさせてくれました。そこで出会った沢山の笑顔を感じてもらえたらと思い、この絵本を描きました。

ニコニコしょうてんがい 「ニコニコしょうてんがい」の1ページから。個人による電子書籍出版の流れが加速することを期待したい

 作品の選考は、Twitterや「ブクログ」での一般投票と、特別審査員による二次審査で行われ、双方で高い支持を得たニコニコしょうてんがいが大賞を受賞した。ミジ氏には賞金50万円が贈られるとともに、作品は後日iPad/iPhone向けの絵本アプリとしてパブー上で公開される予定。

 ミジ氏は、大賞受賞に以下のようにコメントしている。

 嬉しすぎて、心臓が爆発しそうです! ありがとうございます。日本で一番よかったことは、「人のやさしさ」でした。一人ぼっちの外国での生活ですが、やさしさと笑顔をいつも沢山もらって、楽しく過ごせています。

 なお、今回の絵本コンテストの全応募作品は、公式サイトでみることができる。

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