電子書籍時代の作家はここから生まれる? 電子雑誌「BOX-AiR」が12月創刊

講談社BOX、キングレコード、電気本は10月15日、新人作家を発掘する電子雑誌「BOX-AiR」を12月に創刊する。iPhone/iPad向けの電子書籍アプリで、紙出版とアニメ化も視野に入れたモデルとなっている。

» 2010年10月15日 15時05分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

単行本化とアニメ化を見据えた新人作家の作品発表の場に

単行本化とアニメ化をスキームに加えた新たな取り組みとなる

 講談社BOX、キングレコード、合同会社電気本は10月15日、新人作家を発掘する電子雑誌「BOX-AiR」を12月に創刊することを明らかにした。iPhone/iPad向けの電子書籍アプリとして提供され、価格は350円。

 この取り組みの元となった「AiR」は、出版社も取次も通さない作家・個人発の電子書籍アプリとして6月に配信されたもので、桜坂洋さんが名作漫画「デビルマン」を新解釈で小説化した「デビルマン魔王再誕」など、書き下ろし9作品が収録されるなどして話題を呼んだ。

 BOX-AiRは、AiRを発行するために便宜上設立された合同会社電気本と、西尾維新氏の「化物語」シリーズで知られる講談社の書籍レーベル「講談社BOX」、新世紀エヴァンゲリオンなどの制作に参加しているキングレコードのアニメレーベル「スターチャイルド」が協力して創刊するもので、iPhone/iPad向けの電子書籍アプリとして12月のリリースを予定している。なお、これは上述のAiRとは別の取り組みとなるが、電気本の堀田純司さんによると、「別冊のようなもの」であるという。

 BOX-AiRは、「積極的に新人作家の作品発表の場となることを目指す」とうたっており、掲載原稿を公式サイトで広く募集し、選考の上、連載形式で掲載する。人気が高いものは連載が一定回数(4、5回程度)に達した段階で単行本化が検討されるほか、単行本分に満たない作品でも、カテゴリームックとして紙での刊行を狙う。さらに、アニメ化も視野に入れているという。

 創刊号のページ数は約200ページとしており、作品数でいえば4、5作品が掲載されるとみられる。掲載原稿は毎月選考され、必要に応じてページ数を増やして掲載本数を増やす意向だ。2011年春からは月刊ペースでの刊行を予定しているが、将来的には週刊にすることも検討したいとしている。なお、利益配分については、AiRと同様の枠組みが検討されているというが、単行本やアニメ化に伴う利益配分については今後詰めていくという。

 応募要項はこちらのページで確認できるが、ストーリーの第2話までと、ストーリー全体の概要が用意されていれば応募可能で、応募のハードルは紙出版と比べて非常にゆるやかなものとなっている。

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