2009年Q3以降に投入する新製品はBenQのExecutive Vice President、Peter Chen氏が紹介した。ハンズオン会場に展示された製品を眺めつつ、注目の新製品をチェックしていこう。
同社は2010年以降の事業戦略を担うスローガンの1つに「Cloud Computing」を掲げ、ゲストスピーカーとして台湾GoogleのGeneral Manager、Lee-Fen Chein氏を招いた点にもこの分野に対する期待が強く表れている(ちなみに2007年のゲストスピーカーはインテルだった)。そのCloud Computingで中核となる製品が電子書籍端末「nReader」シリーズだ。現在、nReaderには電子ペーパーを採用した「K60」および「K61」がラインアップされており、すでに中国と台湾で販売が開始されている。また、コンテンツの供給には、eBook ChinaとeBook Taiwanを新たに設立し、ハードとソフトにサービスを統合した形で提供しているのもポイントだ。
そして今回、nReaderのラインアップに10.1型ワイド液晶(1024×600ドット)を搭載するAndroid端末「R100」が加わる。現時点におけるR100の主な仕様は、667MHz駆動のSUMSUNG製CPUを搭載し、メモリは4Gバイト、ネットワーク機能として3GとWi-Fiの両方を備え、OSにAndroid 2.0を採用する(発売時点ではAndroid 2.2になる計画だという)。AndroidをベースにBenQが独自開発したUIを被せており、あらかじめデスクトップガジェットなどが組み込まれている。コネクタ関連ではSDXC対応カードスロットと720pで出力が可能なHDMI端子を搭載。本体サイズは(展示機の実測値で)173(幅)×267(奥行き)×14.4(高さ)ミリ、重量は700グラムだ。また、約12時間の長時間バッテリーライフや2時間で約85%まで急速充電が可能点も特徴として挙げられている。ただし、ディスプレイには感圧式パネルを使っており、マルチタッチには対応していない。
実際に触ってみた感想は、静電容量式のiPadに比べると指によるページめくりなどの反応がやや鈍く、指というよりはツメで操作するほうがうまくいきやすいようだ。また、マルチタッチに対応していないため、文字の拡大などは設定からフォントサイズを変更する必要がある。ただ、静電容量式とは異なりペンでも入力できるため、手書きで文字をメモするときなどは有利かもしれない。
同社の話によれば、R100の生産に入るのが11月ごろ、発売は2011年の1Qになる見通し。最初に中国と台湾、その後各国で展開していく予定だという。ちなみに日本では3月ごろに発売される可能性が高い。Wi-Fi版の国内価格は未定だが、「たぶんiPadの8割くらいの価格になるんじゃないか」とのこと。
一方、これまで中国と台湾でリリースされた電子ペーパータイプの製品も日本市場に投入される計画があるという。そもそも台湾で電子書籍を販売するeBook Taiwanは、eBook Japanを運営するイーブック イニシアティブ ジャパンとの技術提携によりBenQが設立した企業で、日本でのeBook JapanとBenQの関わりは深い。日本にnReaderが投入されれば、主要なコンテンツ供給元としてeBook Japanの名が挙がるのは間違いないだろう。こちらのモデルは2011年の1月ごろに発売される見込みだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.