10.1型のAndroid端末から世界初のVA LEDディスプレイ、ピコプロジェクター内蔵HDビデオカメラ、裸眼立体視対応65型テレビまで、BenQの新製品がズラリと並んだGDM 2010。日本国内での販売はどうなる?
BenQは8月30日、グローバル事業戦略説明会と新製品発表を兼ねた「GLOBAL DISTRIBUTORS' MEETING 2010」を同社のホームタウンである台湾で開催した。BenQは2年に1度、クリスマス商戦を前にしたこの時期に各国の販売代理店や卸業者を招待し、新製品内覧会を行うのが通例となっている(前回はマカオで開催)。日本国内でのベンキュージャパンは主に液晶ディスプレイを販売する周辺機器ベンダーとしての印象が強いが、もともとAcerの製造部門がスピンアウトする形で誕生したBenQ(グループ)は、今では化学・精密機器などの製造から医療サービスまでを含む18の企業を傘下に収める巨大企業だ。また、BenQブランドはPC用ディスプレイやプロジェクターはもちろん、大型液晶テレビ、デジタルカメラ、ビデオカメラ、ノートPC、モバイル端末など幅広い製品を100以上の国で展開している。同グループの売上高を見ても、5年前の120億米ドルに比べて、2010年の業績予想では220億米ドル超へとビジネスは拡大を続けている(ただし、2007年の金融危機以降は製品単価の下落から180億米ドルまで落ち込んでいる)。
冒頭に登壇したBenQグループのChairmanであるK.Y. Lee氏は、今後のスローガンとしてClimate Change/Caring/Convergence/Cloud Computing/Emerging Countriesの5つの「C」を掲げる。「Climate Change」では地球温暖化問題への取り組みとしてグリーンな企業を目指し、製造で二酸化炭素の排出量を削減するとともに、ソーラーシステムなどの新しいエネルギーの創出や省電力なLED技術を推進していく。「Caring」は2008年の南京に続いて蘇州にも“BenQ病院”を開設するほか、医療分野全般に渡って機器やサービスの提供を行う。「Convergence」と「Cloud Computing」は、同社の電子書籍端末「nReader」に代表されるハードウェアとソフトウェア、サービスの融合した新しい製品の投入を、「Emerging Countries」は2025年に世界全体の消費の半分以上を担うという予測から、新興国市場への投資を強めていくというものだ。
続いて登壇したBenQのPresident&CEOであるConway Lee氏もこの5つの「C」に沿った形で、具体的な製品戦略やキーテクノロジーを解説した。BenQブランドの主力製品はもちろん、グループ企業であるAU Optronicsから優先的なパネル供給を受けるPC用モニターや大型テレビだが、最新の製品構成では電子書籍端末とビデオカメラが加わり、新しいビジネスとして医療機器や太陽充電、LEDライトの販売にも手をつけていくという。
また、コアビジネスである液晶ディスプレイでは、2010年Q3にVAパネルを採用したLEDバックライト液晶を世界に先がけて投入し、さらなるシェア拡大を目指すほか、プロジェクターやデジタルカメラ、ビデオカメラ、タブレットを含むモバイル端末、液晶テレビの製品ラインアップも順次アップデートしていく。
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